空想楽器博物館 〜なんだこれ楽器発見プロジェクト〜

私の考えでは、ピッコロはオーケストラで使われる楽器の中で最も可愛らしい形で、音は空を高く舞うヒバリのように歌う。ちなみにピッコロはフルートと同じ構造なのでフルート奏者が持ち替えて吹くことが多いらしい。

オーケストラのフルート奏者には髪の毛と睫毛が長い少し憂いを感じる女性しかいない。（オーケストラのマネージャーがそういう考え方なのだと思う）
フルートは静かで落ち着いた老人のような音色だから、それを吹くときも眉尻を寄せて真面目くさった愛嬌のない顔になる。綺麗な女性でないと耐えられないのだな。

しかし、曲が進んでピッコロの譜面になると、フルート吹きはピッコロに持ち替えて唇の隅を持ち上げ、顔も正面を向いてスマイル顔になる。
憂いの幸薄い顔が可愛らしい天使の表情になる、ような気がする。（エンゼルはだいたい何か笛を吹いているけど、ピッコロを吹いてるんだろうね、多分）

そういう楽器としてのピッコロだけれども、漫画「ドラゴンボール」では魔族の王の名前に使われたんだ。
ドラゴンボールの作者、鳥山明によると魔族の王だから禍々しい名前ではなく一番可愛らしい名前を付けたというようなことを言っているのを何かで読んだ記憶がある。（ピッコロはナメック族という魔族でナメクジの陰湿さをDNAに持っているんだ。私はナメクジが一番嫌いなのだ、おぞましい）

確かに、ドラゴンボールのピッコロは魔のオーケストラの中で何か突き抜けたような可愛さがあった、と後知恵で分析したりする。
可愛さと魔性、そういう相反するものの象徴がピッコロか、ドラゴンボールは奥が深いなあ。

ということは、あの髪の長いしかも睫毛も長くて憂いを感じるオーケストラのフルート奏者、ピッコロを吹くときにはあんなににこやかなのにそれは仮面だということなんだ。ピッコロ用の楽しげな仮面なのか。

ピッコロ大魔王も結構裏腹だったような記憶があるけど好きなキャラクターだったと思う。