うそ楽器「屋根の上のバイオリン」

屋根の上ぐらいの高さにあるバイオリンのオブジェ
正確な表現は「屋根の上ぐらいの高さにあるバイオリンのオブジェ」。
写真でご覧のとおり、弦が4本、S字型の響孔と糸巻があり、よく見ると弓までついている。リアルとデザインの微妙なバランスが面白い。
実はこのオブジェは街路灯の飾りなのである。実測はしてないが3mの高さはあるだろう。いったい誰がここにバイオリンを飾ろうとしたのだ。
こんなに高いところにあるバイオリンを弾くとすれば、屋根の上のバイオリニストしかいないだろう。
マルク・シャガールに「緑色のバイオリン弾き」というのがある。絵の中では緑色の顔をした男がバイオリンを弾いているのだが、その男はまるで屋根の上に立っているような構図なのだ。立っているというより屋根の上の宙に浮いている。そうして、なんだか悲しげにバイオリンを弾いている。
私はバイオリンの曲はロマの人たちが演奏するように、ちょっと悲しげで高音部がすすり泣くようなのが好きだ、若い頃の苦い恋の思い出のようでね。しかしそれはシャガール的な世界での話。
この「屋根の上ぐらいの高さにあるバイオリンのオブジェ」は街路灯なので道路に沿って立ち並んでいる。ざっと1ダースはあるだろう。道路の左側に第一バイオリンとして6本、右に第二バイオリンとして6本。小さなオーケストラだ。
あるいは屋根の上の弦楽奏団、トタン屋根の上を飛び跳ねる猫のようにうるさそうだ。取ってつけたような連想だけど、市街地の街路灯のバイオリンだからうるさいのは当然なのか。比喩は間違っているけど、テネシー・ウィリアムズの「焼けたトタン屋根の上の猫」のことを言いたいのだね。
要するに、私の連想ゲームでは屋根の上と言えば、猫とバイオリンなのである。
「えっさか ほいさ
ねこに バイオリン
めうしがつきを とびこえた
こいぬはそれみて おおわらい
そこでおさらはスプーンといっしょに おさらばさ」
(谷川 俊太郎 訳・マザーグースより)
おお、猫、バイオリン、牛、この情景もシャガール的だ。
このシャガール的風景を見てみたいならば、浜松駅南側の永代通り(八幡橋から永代橋を通る道)の砂山東交差点から東のほうに行ってみるがいいよ。うそ楽器「屋根の上のバイオリン」


そう楽器「鞭」
そう楽器「鞭」(2014-10-22 00:24)

うそ楽器「ビオラ」
うそ楽器「ビオラ」(2014-07-29 18:13)

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