そう楽器「鞭」

映画「ブルースブラザーズ」の1シーン
鞭で思い出す楽曲は映画「ブルースブラザーズ」の中で使われていた「ローハイドのテーマ」だ。
この曲の中で、主役のジョン・ベルーシが鞭を使うのだが、それがすごく効果的なのである。音楽的にも映画の表現としても。

映画「ブルースブラザーズ」のストーリーを簡単に説明すると、ジョン・ベルーシとダン・エイクロイドの兄弟は自分たちが育った孤児院が経済的危機に陥った事を知り、演奏活動で孤児院救済の資金を得ようと昔の仲間を加えて演奏旅行に出るという話。
その演奏旅行の会場の一つがカントリーミュージックを聞かせる酒場で、客は気性の荒そうな肉体派カントリーファンばかり。

その会場での最初の曲が「スペンサー・デイビス・グループ」の「ギミ・サム・ラヴィン」だった。これはちょっと都会的なロックナンバーなんだ。なんで、この曲を選んだかは分からないけど、そもそも「ブルースブラザース」のバンドはロックやブルースの精神をオマージュする存在だったのだ。

だけどそれが、カントリー派には気に入らなかった。酒場でのコンサートなので曲が気に入らない聴衆は舞台めがけて酒瓶を雨霰のごとく投げつける。
酒場の主もこんな曲は許さないとばかりに舞台の照明を消してしまう。

そこで、急遽二曲目に演奏したのが「ローハイドのテーマ」だったのだ。
ロックミュージシャンがカントリー曲を演奏するという趣向も面白かったけれど、それ以上にいい曲は誰がカバーしてもいい曲なのだな。

映画ではローハイドの前奏が始まるとさっきまでの喧噪は止んで静かになり、ダン・エイクロイドの「ローレン、ローレン、ローレン〜」というボーカルが入ってくる。いい曲だなあ、聴衆が引き込まれていく。

でもねえ、ジョン・ベルーシは気に入らないんだ。ロック・ブルースの魂を売り渡したくないという感じで舞台上で腕組みしたまま突っ立ている。ダン・エイクロイドに促されてさびの部分は歌った。

で、そのとき舞台袖に鞭があるのを見つけた。そして曲の最後に「ローハイド、ヤー、パシン」と鞭を打つ。それはジョン・ベルーシの怒りの鞭でもあるし曲の最後の小気味いい効果音でもあった。
ベルーシが鞭を打つとき、横に立っているダン・エイクロイドが本気でビビっているのが見て取れて面白い映像だった。

何度も言うようだが、「ローハイドのテーマ」はいい曲だなあ。
原曲はテレビドラマ「ローハイド」の主題曲だ。1960年(昭和35年)ごろ放映され、日本でも大ヒットした。

けれども、私はこのテレビドラマは見ていない。その当時私の住んでる静岡県西部地方は民放局がTBS系の1局だけというすごい電波僻地だったから、NET系のこの番組は全く放映されていなかった。
でも「ローハイドのテーマ」の曲は知っていた。ドラマとともに、主題歌もヒットしてそれが巷に流れていたからだ。

日本ではウェスタンと言っていたアメリカのカントリー系の音楽が流行中で小坂一也がこの曲を歌っていたのを聞いている。後で調べると小坂一也より「伊藤素道とリリオ・リズム・エアーズ」のほうが本格的に英語で歌っていた。面白いのは、あの鞭の音を、スリッパでひっぱたいて出していたそうだ。

原曲でも牛の群れが大きな川のように移動するタイトルシーンで「ローハイド、ヤー、パシン」と小気味よく鞭の音が響く。

鞭の音は、その想像上の痛さ(鞭に打たれた事はないが)以上に小気味よく響く。だから、鞭の音を使った楽曲は結構あるのだ。その証拠に、鞭の音を出す楽器がある。その名も「むち」という。そのままやん。
楽器「むち」


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うそ楽器「ビオラ」(2014-07-29 18:13)

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くう楽器「ちくわ」(2014-07-28 00:02)

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